副業の報酬から引かれる「源泉徴収」とは?10.21%の計算方法と、確定申告で戻ってくる場合
- 原稿料・講演料・デザイン料などの報酬は、支払う側が所得税を差し引いて(源泉徴収して)支払うことがある
- 税率は、1回の支払いが100万円以下なら支払金額 × 10.21%
- 差し引かれた税額は確定申告で精算され、払いすぎなら戻ってくることもある
源泉徴収とは
源泉徴収は、報酬などを支払う側が、支払うときに所得税をあらかじめ差し引いて国に納めるしくみです。会社員の給与から所得税が天引きされているのと同じ考え方で、副業の報酬でも、内容によっては差し引かれます。
たとえば、10万円の原稿料を受け取る場合、10,210円が源泉徴収され、手取りは89,790円になります。
源泉徴収の対象になる主な報酬
国税庁のタックスアンサー(No.2792)では、個人に支払う報酬のうち、次のようなものが源泉徴収の対象として挙げられています。
- 原稿料、講演料など(デザイン料、翻訳料なども含まれる)
- 弁護士・税理士・司法書士などの報酬
- モデル、外交員などへの報酬
- 芸能の出演料など
謝金・取材費・車代などの名目であっても、実態が原稿料や講演料と同じであれば対象になります。
報酬の種類によって対象かどうかが変わります。たとえば一般的なプログラミングの受託開発の報酬は、原則として源泉徴収の対象外とされています。対象かどうかは、支払う側や国税庁の案内で確認しましょう。
税額の計算方法
国税庁のタックスアンサー(No.2795)では、原稿料・講演料などの源泉徴収税額は次のように計算するとされています(令和8年4月1日現在)。
| 1回の支払金額 | 源泉徴収税額 |
|---|---|
| 100万円以下 | 支払金額 × 10.21% |
| 100万円を超える | (支払金額 − 100万円)× 20.42% + 102,100円 |
- 10.21%は、所得税10%に復興特別所得税(所得税額の2.1%)を加えた率です。
- 請求書で報酬額と消費税額がはっきり分かれている場合は、報酬額だけを対象にできます。
- 1人に1回で支払う賞金や謝金が5万円以下の場合など、源泉徴収しなくてよいケースもあります。
令和9年分以後は、防衛特別所得税の創設などにより扱いが変わる予定です。最新の税率は国税庁の案内で確認してください。
支払う側が個人の場合は?
源泉徴収をする義務があるのは、主に会社などの法人や、従業員に給与を支払っている個人事業者です。給与を支払っていない個人などから報酬を受け取る場合は、源泉徴収されないのが一般的です。同じ仕事でも、取引先によって源泉徴収される・されないが分かれることがあります。
確定申告での扱い
源泉徴収された税額は、あくまで「前払い」です。確定申告をすると、1年間の所得から計算した本来の所得税額と、源泉徴収された税額との差額が精算されます。
- 本来の税額より多く引かれていた場合:差額が還付される(戻ってくる)
- 本来の税額より少なかった場合:差額を納める
経費が多く所得が小さい場合などは、確定申告で還付を受けられることがあります。副業の所得が年20万円以下で確定申告の義務がない人でも、還付を受けるために申告することはできます(20万円ルールの解説)。
確定申告では、取引先から届く「支払調書」や、自分で作った請求書・入金記録をもとに、源泉徴収された税額を入力します。日ごろから請求書と入金額を記録しておきましょう(副業の経費の記事もあわせてどうぞ)。
請求書を作るときの注意
- 源泉徴収の対象になる報酬の場合は、報酬額・消費税額・源泉徴収税額・差引請求額を書くのが一般的
- 源泉徴収するかどうかは支払う側の判断・義務なので、迷ったら取引先に確認する
まとめ
- 原稿料・デザイン料などの報酬は、10.21%が源泉徴収されることがある
- 源泉徴収は所得税の前払いで、確定申告で精算される
- 払いすぎていれば、確定申告で還付を受けられる
この記事は 2026年10月時点の公開情報(国税庁タックスアンサー 令和8年4月1日現在)にもとづく一般的な解説です。個別のケースは税務署や税理士にご確認ください。


